【高校数学】二変数関数の最大最小問題を徹底攻略!~基礎から入試標準レベルまで引き上げる~

どうも!受験コーチSHUです。

今回は,多くの受験生にとってイマイチ分からない分野になっている二変数関数の最大最小について解説していきます。

二変数関数の問題が出ると
「どうやって処理するの・・・?」
「xもyも動くって何・・・?」
「どの分野の手法を使うのか全く分からない・・・」

といった気持ちになりますよね。それもそのはず,二変数関数だけを扱う分野は教科書になく,二次関数や式と証明,整数・・・色々な分野を習うだびに二変数関数が登場してしまい,多くの受験生は「二変数関数はこう処理しろ!」という道しるべを知らないのです。

この記事では,二変数関数を系統だって理解できるように様々な例題を用いてその扱いを考えていきます。少し長い記事になりますが,是非最後まで読んで二変数関数の問題をマスターしてください!

ここで二変数関数の最大最小をマスターすれば,他の受験生と差を付けられること間違いなしですよ!

二変数関数(多変数関数)のポイント

二変数関数の問題を見た時,以下のポイントに注意して処理の仕方を考えていくことになります。

二変数関数の勘どころ

 

  • 文字消去が可能か
  • 対称式か
  • 図を利用できるか
  • 有名不等式を利用できるか
  • 一文字固定で解決できないか(予選・決勝法)

二変数関数の最大最小問題では,主に上記の事項がポイントになってきます。多くの入試問題は,上から4つの方針「文字消去」「対称式」「図の利用」「有名不等式の利用」で考えていけば十分です。最後の予選決勝法はやや難しいですが,様々な問題に応用が利く汎用性の高い解法であり,とても強力です。

二変数関数の最大最小:文字消去の利用

これは最も基本的なパターンです。基本的に,動くものが2つあると扱いにくいです。ですので,文字(変数)を1つ消去してあげて,1変数の問題として扱ってあげたいというのが文字消去の気持ちです。

等式が1つあれば,1文字の消去が可能になります。問題文で与えられていなくても,等式の関係が問題文から読み取れないか探る姿勢も大事です。

例題1-1
\( x+3y=7 \) のとき,\( x^2 + y^2 \) の最小値を求めよ。

解説
最小値を考えたい関数は,\( x, \, y \) の2つを変数とする \( x^2 + y^2 \) です。このままでは変数が2つで扱いにくいですが,\( x + 3y = 7 \) という関係がありますから,これを用いて1文字消去すれば実質1変数の二次関数として扱うことができます。

この場合は,\( y \) を消去するのは面倒なので \( x \) を消去する方針で考えましょう。

\( x = 7 – 3y \) なので,
\begin{eqnarray}
x^2 + y^2 &=& (7-3y)^2 + y^2 \\
&=& 10y^2 – 42y + 49 \\
&=& 10(y\,  – \frac{21}{10} )^2 + \frac{49}{10} 
\end{eqnarray}
従って,\( y = \frac{21}{10} , x=\frac{7}{10} \) のとき,\( x^2 + y^2 \) は最小値 \( \frac{49}{10} \) をとります。  (終)

\( x, \, y \) の値の範囲が不等式によって与えられている場合は,定義域に注意して最大最小を考えます。これは何も特別なことではないですよね。定義域とは変数の動く範囲の事ですから,それが指定されていれば当然考慮します。次は,そういった問題を考えてみましょう。

例題1-2
\( x + 2y = 4, 0 \leq x , 0 \leq y \) のとき,\( x^2 + 3xy + 4y^2 \) の最小値を求めよ。

解説
これも先ほどと同様,実質1変数の関数として処理できますね。\( x = 4 – 2y \) ですから,これを代入します。

\begin{eqnarray}
x^2 +3xy + 4y^2 &=& (4-2y)^2 + 3y(4-2y)  + 4y^2 \\
&=&  2y^2 – 4y + 16 \\
&=& 2(y\, – 1)^2 + 14
\end{eqnarray}

というように関数 \( x^2 + 3xy + 4y^2 \) は変形されます。ここで,定義域は \( 0 \leq x , 0 \leq y \) ですから,\( 0 \leq 4 – 2y , 0 \leq y \) となり,\( 0 \leq y \leq 2 \)です。

従って,\( 2(y \, – 1)^2 + 14 , \, (0 \leq y \leq 2 ) \) の最小値は,\( y = 1 \, ( x = 2 ) \) のとき \( 14 \) となります。  (終)

例題1-2のように,定義域が制限されている場合には注意してください。次の例題1-3では,定義域は明示されないものの,変数の存在条件から定義域が登場します。

例題1-3
\( 2x^2 + y^2 = 2 \) のとき,\( x + y^2 \) の最大値を求めよ。

解説
先ほどと同じように,求めたい関数を1変数にします。\( x, y \)の関係式を利用して,\( y \) を消去するのが無難でしょう。

\( y^2 = 2 – 2x^2 \) なので,
\begin{eqnarray}
x + y^2 &=& x + (2 – 2x^2) \\
&=& -2x^2 + x + 2 \\
&=& -2 (x\, – \frac{1}{2} ) ^2 + \frac{3}{2} 
\end{eqnarray}

となる。また,\( 0 \leq y \) より,\( 0 \leq 2 – 2x^2 \) となるから,\( -1 \leq x \leq 1 \) で,求める最大値は,\( x = \frac{1}{2} \) のとき,\( \frac{3}{2} \) となります。  (終)

\( y^2 \) が必ず0以上であることを考慮すると,問題文では明示されていなかった定義域が現れます。実数の存在条件を考えることは,問題を解く際とても重要なことですから,問題文に書かれていなくてもきちんと考える癖を付けましょう。

二変数関数の最大最小:対称式の利用

対称式とは,変数を入れ替えても変わらない多項式の事を言います。どういうことかと言うと,\( f(x, y) = x^2 + xy + y^2 \) において,変数 \( x, y \) を入れ替えると \( f(y, x) = y^2 + yx + x^2 = f(x, y) \) となり,元の形に一致します。このような場合,\( f(x, y) \) は対称式であると言います。対称式は,基本対称式 \( x+y, \, xy \) の多項式によって表すことができ,この性質を用いて二変数関数を上手く処理できる場合があります。

実際に問題を解く際には,基本対称式をそれぞれ \( x+y = s, xy=t \) のように文字で置き,更に \( x, y \) が \( s, t \) を係数に持つ二次方程式の解であることを利用して \( s , t \) の値の範囲を絞り,\( x, y \) の二変数関数を \( s, t \) の二変数関数として処理していきます。

例題2-1
\( x^2 -xy + y^2 = 1 \) のとき,\( xy + x + y \) の最大値と最小値を求めよ。

解説
条件の式 \( x^2 – xy + y^2 = 1 \) の左辺は対称式で,最大最小を考える関数 \( xy + x+ y \) も対称式ですね。対称式が登場した場合,基本対称式 \( x + y, \, xy \) によって表すことを考えます。

\( x^2 -xy + y^2 = (x + y)^2 -3xy \) ですから,\( x + y = s, \, xy=t \) と置けば,条件の式は \( s^2 – 3t = 1 \) となり,最大・最小を考えたい関数は \( xy + x + y = s + t \) と表せます。この形に変形できればあとは例題1-1~1-3と同様に考えていけば良さそうです。

\( t = \frac{s^2 – 1}{3} \) なので,\( s + t = \frac{s^2 -1}{3} + s \) となります。これを変形すると,
$$ \frac{1}{3} s^2 + s – \frac{1}{3} = \frac{1}{3} \left( s + \frac{3}{2} \right) ^2 – \frac{13}{12} $$
となります。

ここで,解と係数の関係より \( x, y \) は \( s, t \) を係数とする \( z \) の二次方程式 \( z^2 – sz + t = 0 \) の解なので,解の存在条件を考えて,判別式Dが0以上となるから \( s^2 – 4t \geq 0 \) 

\( s^2 – 3t = 1 \) なので,\( s^2 – 4t \geq 0 \) は \( s^2 – 4 \left( \frac{1}{3} s^2 \, – 1 \right) \geq 0 \) つまり \( -2 \leq s \leq 2 \) が \( s \) の変域です。

この変域において,\( \frac{1}{3} \left( s + \frac{3}{2} \right) ^2 – \frac{13}{12} \) の最大値と最小値を求めると,\( s = – \frac{3}{2} \) で最小値 \( – \frac{13}{12} \) をとり,\( s = 2 \) で最大値 \( 3 \) をとります。 (終)

余力があれば,次の練習問題を解いてみてください。解答はメール (s.intelligence.coach@gmail.com) までお願いします。

練習問題1
\( x^2 + y^2 = 1 \) であるとき,\( f(x, y) = x^3 + y^3 – 3xy \) の最大値と最小値を求めよ。

練習問題2
\( x + y + z = 2, x^2 + y^2 + z^2 = 2  \) のとき,\( f(x, y, z) = x^3 + y^3 + z^3 \) の最大値と最小値を求めよ。

二変数関数の最大最小:有名不等式の利用

有名不等式とは,「相加平均と相乗平均の大小関係」「コーシー・シュワルツの不等式」「三角不等式」といった,絶対に成り立つ不等式の事を指します。

相加平均と相乗平均の大小関係を利用する

相加平均と相乗平均の大小関係とは,次の不等式の事を言います。

相加平均と相乗平均の大小関係

\( x_i > 0 \, (i = 1, 2, 3, \cdots , n) \) のとき,
$$ \frac{x_1 + x_2 + \cdots + x_n}{n} \geq  \sqrt[n]{x_1 \times x_2 \times \cdots \times x_n} $$
が成り立ち,この不等式を相加平均と相乗平均の大小関係という。

この不等式は,n個の0以上の実数に関する不等式ですから,2変数関数に対して応用することが可能です。

発想としては,

  1. 2変数の積が一定で,2変数の和の最小値を求めたい時
  2. 2変数の和が一定で,2変数の積の最大値を求めたい時

に相加相乗平均の不等式を使います。当然,文字消去によっても計算できます。

例題3-1-1
\( x>0, y>0, xy=8 \) のとき,\( 2x + y \) の最小値を求めよ。

解説
積が一定で和の最小値を求める問題です。

\( x>0, y>0, xy=8 \) なので,相加平均と相乗平均の大小関係より
$$ 2x + y \geq 2 \sqrt{2xy} = 8 $$
が成り立つ。

等号成立は \( 2x=y \) の時で,\( x>0, y>0, xy=8 \) から \( x=2, y=4 \) の時と分かる。

従って,\( x=2, y=4 \) のとき,\( 2x+y \) は最小値 \( 8\) をとる。

例題3-1-2
\( a>0, b>0, c>0, a+b+c=9 \) のとき,\( abc \) の最大値を求めよ。

解説
今度は和が一定で積の最大値を求める問題です。例題のように出題されるとピンと来ないかもしれませんが,例えばこの例題は「縦,横,高さの長さの和が9で一定であるような直方体の体積の最大値を求めよ。」という問題に言い換えられますし,先ほどの例題3-1-1は「面積が8で一定であるような長方形において,周の長さの最小値を求めよ。」という問題の類題として考えられます。

\( a>0, b>0, c>0, a+b+c=9 \) なので,相加平均と相乗平均の大小関係より
$$ a+b+c=9 \geq 3 \sqrt[3]{abc} \Leftrightarrow 3 \geq \sqrt[3]{abc} $$
が成り立つ。

等号成立は \(a=b=c \) のとき,つまり \( a=b=c=3 \) のとき。

従って,\( abc \) の最大値は \( 3^3 = 27 \) である。

コーシー・シュワルツの不等式を利用する

コーシー・シュワルツの不等式とは,次の不等式の事を言います。

コーシー・シュワルツの不等式

実数 \( a_i, b_i \, (i=1, 2, 3, \cdots , n) \) に対し,次の不等式が成立。ただし,\( n \) は自然数とする。
$$ \left( \sum_{i=1}^{n} {a_i}^2 \right) \left( \sum_{i=1}^{n} {b_i}^2 \right) \geq \left( \sum_{i=1}^{n} a_i b_i \right)^2 $$

この不等式は,ベクトルの大きさの積と内積の大小関係と見ることもできます(というかこっちが本質)。

ベクトルの内積は \( \overrightarrow{a} \cdot \overrightarrow{b} = |\overrightarrow{a}| |\overrightarrow{b}| cos \theta \) と表せますね。ここで,\( -1 \leq cos \theta \leq 1 \) ですから,\( \left( cos \theta \right) ^2 \leq 1 \) となり,コーシー・シュワルツの不等式 \( |\overrightarrow{a}|^2 |\overrightarrow{b}|^2 \geq \left( \overrightarrow{a} \cdot \overrightarrow{b} \right) ^2 \) が成り立ちます。

内積やベクトルの大きさの形に直せる式を見た時,コーシー・シュワルツの不等式が発想として浮かぶと良いでしょう。

例えば,\( x+3y=1 \) という等式を見た時,2つのベクトル \( \overrightarrow{a}=(x, y) , \, \overrightarrow{b}=(1, 3) \) の内積が1と等しい,と言うように読み替えてあげようという事です。

また,\( x^2+4y^2=9 \) という等式を見た時,あるベクトル \( \overrightarrow{a}=(x, 2y) \) の大きさが3であると言うように読み替えられるようにしよう,ということでもあります。

例題3-2-1
\( 2x+y=5 \) が成り立つとき,\( x^2 + y^2 \) の最小値を求めよ。

解説
最小値を考えたいのは \( \overrightarrow{a} = (x, y) \) というベクトルの大きさの平方なので,条件式が \( \overrightarrow{a} \) とどんなベクトルの内積で与えられているか考えます。すると,与えられた条件は \( \overrightarrow{a} \) と \( \overrightarrow{b} = (2, 1) \) の内積であると読み替えられます。

従って,コーシー・シュワルツの不等式から
$$ |\overrightarrow{a}|^2 |\overrightarrow{b}|^2 \geq \left( \overrightarrow{a} \cdot \overrightarrow{b} \right)^2 ,つまり  x^2 + y^2 \geq 5 $$
です。等号成立は \( x : y = 2 : 1 \) の時であり,\( 2x + y  = 5 \) より \( x =2 , y =1  \) の時で,\( x^2 + y^2 \) の最小値は \( 5 \) だとわかります。  (終)

今回は等号が成立したのでそこまで難しくありませんが,等号が成り立たない場合は文字消去などで求める必要があります。次の例題では,条件をベクトルの大きさによって与えてみます。

例題3-2-2
\( x^2 + 4y^2 = 4 \) のとき,\( x + y \) の最大値を求めよ。

解説
与えられた条件から,\( \overrightarrow{a} = (x, 2y) \) の大きさがの平方が4で一定であると分かります。ここで,最大を考えたい式 \( 2x + y \) に注目すると,\( \overrightarrow{a} = (x, 2y),  \, \overrightarrow{b} = (1, \frac{1}{2} ) \) の内積と見ることができます。

従って,コーシー・シュワルツの不等式より
$$ |\overrightarrow{a}|^2 |\overrightarrow{b}|^2 \geq \left( \overrightarrow{a} \cdot \overrightarrow{b} \right)^2 , \, つまり \, 5 \geq (x + y)^2 $$

です。等号成立は \( x : 2y = 1 : \frac{1}{2} \) のときで,\( x^2 + 4y^2 = 4 \) より
$$ (x, y) = \left( \pm \frac{4}{\sqrt{5}}, \pm \frac{1}{\sqrt{5}} \right) \, (複号同順) $$
のとき等号が成り立ちます。

従って,\( x + y \) が最大となるのは,\( x = \displaystyle \frac{4}{\sqrt{5}} , y = \displaystyle \frac{1}{\sqrt{5}} \) のときで,最大値は \( \sqrt{5} \) です。 (終)

以上の2つの例題から分かるように,ベクトルの大きさの平方を基準にベクトルを1つ定め,内積の方は係数を上手く調節して考えればよいことが分かります。このことは,コーシー・シュワルツの不等式を使う上で非常に重要な数式の読み方となります。

二変数関数の最大最小:図の利用

条件がいくつかの不等式で与えられるとき,その不等式が示す領域を図で表すと上手く処理できる場合があります。

最大最小を考えたい関数を \( f(x, y) = k \) とおき,与えられた条件が示す領域に,様々な \( k \) に対応させた \( f(x, y) \) を描いていきます。条件の領域と \(f(x, y) = k \) が共有点をもつ \( k \) から,最大最小の \( k \) を見つければOKということです。

ここで重要なのは,実数 \( k \) に対応する \( x, y \) が存在するという事です。たまたまそれを図として表せる場合もありますが,図が使えないのであれば,数式的に実数 \( x, y \) が存在する条件を考えればいいのです。

例題4-1
\( x + y \leq 4, -2x + y \leq 4 , x + 4y \geq 4 \) のとき,次の式の最大値と最小値を求めよ。
① \( – x + y \)    ② \( \displaystyle \frac{y \, – 2}{x + 3} \)

解説
与えられた条件を図示すると,次のようになります。

①から考えます。\(- x + y = k \) とおくと,\( y = x + k \) となり,\( k \) は傾き1の直線のy切片といえます。この直線が,上に示した領域と共有点を持つような \( k \) を考えていきます。

\( k \) を適当に変化させながら \( y = x + k \) を描いてみました。ここから,\( k \) の最大値は \( 4 \) で,最小値は \( -4 \) とわかります。それはすなわち,\( -x + y \) の最大値,最小値ということです。 (①終)

次に,②を考えましょう。同じように,\( \displaystyle \frac{y \, -2}{x + 3} = k’ \) と置きます。\( k’ \) は,2点 \( (x, y) \) と \( (-3, 2) \) を通る直線の傾きですから,これは \( xy \) 平面上で定点 \( A(-3, 2) \) を通る直線の傾きを表していると言えます。

\( k’ \) が最大になるのは,点A(-3, 2) と点(0, 4) を通る直線の時で,その値は \( \displaystyle \frac{2}{3} \) 
\( k’ \) が最小になるのは,点A(-3, 2) と点 \( \left( \displaystyle \frac{-4}{3} , \displaystyle \frac{4}{3} \right) \) を通る直線の時で,その値は \( \displaystyle \frac{-2}{5} \) です。 (②終)

 先述した通り,与えられた不等式が図で表せなくても問題ありません。というのも,本質は \( k \) に対応する実数 \( x, y \) が条件を満たす形で存在するか考えることだからです。

例題4-2
\( x^2 + xy + y^2 = 1 \) のとき,\( x + y \) の最大値と最小値を求めよ。

解説
\( x + y = k \) とおくと,\( y = k \, -x \) なので,

\begin{eqnarray}
x^2 + xy + y^2 = 1 \\
x^2 + x(k \, – x) + (k \, – x)^2 = 1 \\
x^2 \, -kx + k^2 \, – 1 = 0 
\end{eqnarray}

となります。\( k \) に対応する実数 \( x \) が存在すれば,\( y = -2x + k \) より実数 \( y \) も存在します。従って,上の等式を満たすような実数 \( x \) の存在条件を考えますが,これは二次方程式の判別式を利用すればOKですね。

従って,\( x^2 \, -kx + k^2 \, – 1 = 0  \) の判別式を \( D \) として,\( D \geq 0 \) となればよく,

\begin{eqnarray}
D & \geq & 0 \\
k^2 \, – 4(k^2\, – 1) & \geq & 0 \\
k^2 & \leq & \frac{4}{3} \\
– \frac{2}{\sqrt{3}} \leq k \leq \frac{2}{\sqrt{3}}
\end{eqnarray}

となります。従って,\( k \) の最小値は \( \displaystyle – \frac{2}{\sqrt{3}} \) , 最大値は \( \displaystyle  \frac{2}{\sqrt{3}} \) です。  (終)

図によって最大最小を考えるのは,ある \( k \) に対応する実数 \( x, y \) が存在するかどうかを考えているに過ぎないので,それを数式的に考えればいいという事ですね。

ここまでの総復習として,こんな例題も考えてみましょう。

例題4-3
実数 \( x,y \) が \( x^2 + y^2 \leq 1 \) を満たしながら変化する時,
$$ xy + m(x + y) \, (m \geq 0) $$
の最大値と最小値を求めよ。

解説
まず,最大最小を考えたい式 \( xy + m (x + y) \) は対称式ですから,例題2-1にならって \( s = x + y , t = xy \) とおきましょう。すると,\( x^2 + y^2 \leq 1 \) は \( s^2 – 2t \leq 1 \Leftrightarrow t \geq \displaystyle \frac{s^2}{2} \, – \displaystyle \frac{1}{2} \) と変形できます。

また,\( x, y \) は \( s ,t \) を係数とする \( X \) の方程式 \( X^2 -sX + t  =0 \) の解なので,解が存在する条件を考えて \( t \leq \displaystyle \frac{s^2}{4} \) も同時に成り立っています。

これを図示すると,下図を得ます。

\( ms + t = k \) とおくと \( t = k – ms \) となるので,この直線を描くことで \( k \) の最大と最小を考えます。ただし,\( -m \leq 0 \) であることや,\( m \) の値によって場合分けが必要かどうかに注意します。 

すると,\( k \) が最大になりそうな点は1ヶ所ですが,最小値については \( m \) の値で場合分けが必要になりそうです。というのも,点Bを直線が通過しても,切片が最小にならないケースがあるからです。

\( k \) の最大値から考えます。

直線 \( t = -ms + k \) が点 \( A \left( \sqrt{2} , \displaystyle \frac{1}{2} \right) \) を通る時,\( k \) は最大となるので,\( k_{max} = \sqrt{2} m + \displaystyle \frac{1}{2} \) です。

最小値を考えましょう。直線 \( t = -ms + k \) が点Bを通るが \( t \) 軸と上図の領域内で共有点を持つ場合, \( k \) の最小値は直線 \( t = -ms + k \) と放物線 \( t = \displaystyle \frac{s^2}{2} \, – \displaystyle \frac{1}{2} \) が接する時です。点Bにおける放物線の接線を考えてあげればOKです。

(ア)\( 0 \leq m < \sqrt{2} \) のとき

直線 \( t = -ms + k \) と放物線 \( t = \displaystyle \frac{s^2}{2} \, – \displaystyle \frac{1}{2} \) が接する時,\( k \) は最小となるので,\( -ms + k = \displaystyle \frac{s^2}{2} \, – \displaystyle \frac{1}{2} \) の判別式Dとして,D=0 より,\( k_{min} = \displaystyle – \frac{m^2 + 1}{2} \) 

(イ)\( m \geq \sqrt{2} \) のとき,直線 \( t = -ms + k \) が点Bを通過する時,\( k \) は最小となるから,\( k_{min} = – \sqrt2 m + \displaystyle \frac{1}{2} \) 

以上,
\begin{eqnarray}
k_{max} &=&  \sqrt{2} m + \displaystyle \frac{1}{2} \\
k_{min} &=&  – \frac{m^2 + 1}{2} \, \, (0 \leq m < \sqrt{2}) \\
k_{min} &=& – \sqrt2 m +  \frac{1}{2} \, \, (m \geq \sqrt{2})
\end{eqnarray}

二変数関数の最大最小:予選決勝法

これは,いわゆる一文字固定法です。これは非常に適用範囲の広い手法で,困った時はこの手法で計算すれば基本的にどんな問題でも解くことができます。しかし,この方法は計算が煩雑になる場合もあるので注意が必要です。

おおまかな流れとしては,

  1. 2つのうち1つの変数をいったん定数とみなし(固定),実質的な1変数関数として最大最小を考える(予選)
  2. 最初に固定した文字を変化させ,その最大最小を考える(決勝)

です。基本的に,次数の高い文字や登場頻度の高い文字を予選において固定してあげると,決勝が簡単になりやすいです。

例題5-1
\( x \geq 0 , -4 \leq y \leq 4 \) のとき,\( f(x, y) = x^2 + 2y^2 + 2xy – 6x +4y – 1 \) の最小値を求めよ。

解説
上の方針に従い,次数が大きく,登場頻度の高い文字を固定したいのですが,今回は \(x, y \) ともに二次で登場頻度も同じです。従って,どちらを固定してもOKです。\( x \) を変数と見て, \( y \) を固定して考えてあげます。

\( f(x, y) = (x + y \, -3)^2 + y^2 + 10y \, – 10 \) と見ると,\( f(x, y) \) の仮の最小値は \( x = 3 – y \) のときで,\( f_{min} = y^2 + 10y \, -10 \) です。ここで,\( -4 \leq y \leq 4 \) で \( y \) を動かしてみます。

\( y^2 + 10y \, -10 = (y+5)^2 -35 \) ですから,\( y = -4 \) で最小値 \( -34 \) を取ります。このとき,\( x = 3 + 4 = 7 \geq 0 \) なのでOKです。

以上より,\( x = 7, y = -4 \) のとき,\( f(x, y)_{min} = -34 \) となります。 (終) 

一変数関数の最大最小問題と同じように,文字の範囲には注意して 考えましょう。

理系向けですが,こんな例題も考えてみます。これは少し難しいですが,やることは同じです。

例題5-2
\( f(x, y) = e^{1- 2x^2 \, – (y+1)^2} \) の最大値を求めよ。

解説
この問題も,\( x, y \) ともに二次ですが,\( y \) の方がやや複雑な形をしているので,先にこちらを固定してあげましょう。

\( f(x, y) \) を \( x \) で微分すると,
$$ \frac{d}{dx} f(x, y) = -4x e^{1- 2x^2 \, – (y+1)^2} $$

\( \displaystyle \frac{df(x, y)}{dx} = 0 \) となるのは,\( x = 0 \) のとき。また,この前後で \( \displaystyle \frac{df(x, y)}{dx} \) の符号は正から負へ変化するため,\( x = 0 \) で \( f(x, y) \) は極大かつ最大となる。

ここで,\( f(0, y) = e^{ 1 – (y+1)^2 } \) であり,これを \( y \) で微分すると,
$$ \frac{d}{dx} f(0, y) =-2(y + 1) e^{1 – (y+1)^2 } $$

\( \displaystyle \frac{df(0, y)}{dx} = 0\) となるのは,\( y = -1 \) のとき。この前後で,\( \displaystyle \frac{df(0, y)}{dx} \) の符号は正から負へ変化するため,\( y = -1 \) で \( f(x, y) \) は極大かつ最大となる。

従って,\( f(x,y)_{max} = f(0, -1) = e \)  (終)