【二次対策】空間図形問題の発想・アプローチと例題を徹底解説!【大学入試数学】

2021年1月30日

どうも!受験コーチSHUです。

この記事では、空間図形を扱った問題へのアプローチを考えていきましょう。空間図形は、苦手に感じる受験生が多く僕自身あまり得意ではありませんでした。

しかし、図形問題全般に通用する考え方、そして微積分の計算をきちんと理解する事によって図形問題を完答できるようになってきます。

それでは、図形問題全般へのアプローチを確認し、例題を見ていきましょう。

空間図形問題の発想

よく言われる話ですが、図形がテーマになる問題では基本的に次の発想で解き進めていきます。

  • 初等幾何
  • ベクトル
  • 座標設定

初等幾何とは、中学数学や高校の数学Aで学ぶような、図形の性質にまつわる話で、座標設定は、適当に軸を定め(これは直交座標系でも斜交座標系でもいいです)、座標を用いて図形量を計算していく方法になります。ベクトルの考え方は、この両方の発想で生きてくるものですから、ベクトルを使いこなせるようになっておくといいですね。

更に、空間図形の問題では適切な平面を取り出すという事が最重要になるので、きちんと押さえてください。

適切な平面を取り出す、というのは「求める図形が含まれる平面を考える」という事で、この考え方は空間ベクトルなどで実際に使っている考え方ですし、微積において断面図を考えるというのもこの考え方です。

例えば、空間ベクトルの問題で「ある直線とある平面αの交点Pを表す位置ベクトル」を求めたいと思ったとき、平面α上の基底となるベクトル \( \overrightarrow{a}, \, \overrightarrow{b} \) と平面上の点Aを用いて \( \overrightarrow{AP} = s \overrightarrow{a} + t \overrightarrow{b} \) のように表すでしょう。これはまさしく、「交点が含まれる平面」を取り出しているという事が分かるでしょうか?

微積で断面図を考えるのも、断面を例えば \( x=t \) という平面で取ったとすれば、「求める立体は平面 \(x=t\) 上でどのような図形であるか」すなわち、立体の一部が含まれる平面を考えているに過ぎないのです。

空間図形においては、求める立体がどのような平面に含まれているか、平面で見たらどんな図形として現れるか、という事を考え、時にベクトルや座標、積分計算を用いて、時に初等幾何的な発想で解いていくのです。

入試問題においては、どのような断面を考えればよいかという事が誘導されていることが多いので、あまり空間図形に自信がない人は誘導に乗っかればいいと思います。

 幾何的な例題と解説

おおまかな発想だけ話してもしょうがないので、数問の例題を扱い、簡単な解説をします。

 

例題1

(出典:岡山大学)

さて、この問題はどのようにアプローチしていきましょうか。空間内に座標が与えられているので、初等幾何の発想+座標計算やベクトルを利用した計算が発想としては無難でしょう。四面体は角ばった図形ですから、微積分の計算は必要なさそうですね。

問1
△ABCの面積と∠ACBをなす辺AC、BCの長さが分かっていますから、面積公式を利用するのが無難でしょう。
\begin{eqnarray}
\frac{1}{2} \times AC \times BC \times sin \angle ACB &=& \frac{3 \sqrt{3}}{2} \\
sin \angle ACB &=& \frac{\sqrt{3}}{2} \\
\end{eqnarray}
となります。∠ACBは鋭角であり、△ABCに余弦定理を適用すれば、\( AB > 0 \) より
$$ AB = \sqrt{13 \, – 6} = \sqrt{7} $$

問2
3辺の長さについて分かっているので、これを用いて関係式を導くのがよいでしょう。
\begin{equation}
\left \{
\begin{array}{l}
a^2 + b^2 = 7 \\
b^2 + c^2 = 9 \\
c^2 + a^2 = 4
\end{array}
\right.
\end{equation}
この3つの式の辺々足して両辺2で割れば、\( a^2 + b^2 + c^2 = 10 \) を得ます。更に、この式と上の3つの式の辺々をそれぞれ引いていくと、
\begin{equation}
\left \{
\begin{array}{l}
c^2 = 3 \\
a^2 = 1 \\
b^2 = 6
\end{array}
\right.
\end{equation}
を得ます。それぞれの値の正負に注意すれば、\( a = 1, b = \sqrt{6}, c = \sqrt{3} \) 

問3
問2より、四面体OABCの体積は \( \frac{1 \times \sqrt{6}}{2} \times \sqrt{3} \times \frac{1}{3} = \frac{\sqrt{2}}{2} \) である。△ABCの面積が分かっているので、求める垂線の長さを \( h \) とすれば四面体の体積を利用して \( \frac{\sqrt{2}}{2} = \frac{3 \, \sqrt{3}}{2} \times h \times \frac{1}{3} \) より \( h = \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{3}} = \frac{\sqrt{6}}{3} \) である。

なんだか中学生でも解けてしまいそうな問題でしたね(笑)まあ1問目ということで許してください😢

空間で、かつ座標空間内だとどこか計算しにくい印象を持つかもしれませんが、実際には座標が与えられていると方程式を解けば簡単に計算できることがあったり、ベクトルを上手く使いやすかったりするのでむしろ座標が与えられている方が楽な場合があります。

さて、次の例題を見ましょう。

例題2

(出典:岡山大学2016)

さて、今度は空間内における各点の座標と球面が与えられています。今回も微積分の計算は必要なさそうですね。座標空間内の図形で、更に球や円が絡みます。このようなケースでは直角が生まれやすいので初等幾何的な発想に加えてベクトルも上手く使えるといいでしょう。文字もたくさんあるので、内積のや辺の長さの計算等を利用した数式の処理も少し必要になるでしょうか。

問1
点Aと点Bはともに球面S上の点で、直線ABは球の直径となっていますね。4点A、B、Q、Rを含む平面を取り出して、図形的に考えます。球の内部に点Pがある場合と、外部にある場合で図が変わってくるので両方の場合を示しておくと良いでしょう。
直径に対する円周角は90°ですから(中学の知識!意外と重要です)∠AQBは直角です。OPとORの積が欲しい、という事は、OPとORをそれぞれ一辺として含むような三角形を取り出し、相似を考えればよい(方べきの定理もこの発想)、ということでしょう。△AOPと△ROBを考えます。∠AOPと∠ROBはともに直角で、∠APOと∠RPQが対頂角で等しいことと、三角形の内角の和が180°であることから∠PAOと∠BROが等しく、二角相等で△AOP∽△ROBです。

したがって、相似比に関して
$$ AO \, : \, OP = OR \, : \, OB $$
$$ OP \times OR = 1 $$
となります。

点Pが球の外部にある時の図を下に示します。

先ほどと同様にして△AOP∽△BORが示されますから、結局 \( OP \times OR = 1 \) です。

問2
問1の関係式、それを示す過程での図形的な考察を踏まえるといいでしょう。 \( OP = \sqrt{s^2 + t^2}, OR = \sqrt{u^2 + v^2} \)と問1の式を合わせれば、
\begin{eqnarray} 
\sqrt{s^2 + t^2} \times \sqrt{u^2 + v^2} = 1 \\
両辺正より \, (s^2 + t^2)(u^2 + v^2) = 1
\end{eqnarray}
が成り立ちます。

さて、図形を眺めてみると三点O、P、Rは同一直線上にあることが分かります。すなわち、\( \overrightarrow{OP} = k \overrightarrow{OR} \) が成り立ちますから、
\begin{equation}
\left \{
\begin{array}{l}
s = ku \\
t = kv
\end{array}
\right.
\end{equation}
となり、問1の式と合わせれば \( (k^2u^2 + k^2v^2)(u^2 + v^2) = 1 \) より \( k = \displaystyle \frac{1}{u^2 + v^2} \) です。従って、\( s = \displaystyle \frac{u}{u^2 + v^2} , t = \displaystyle \frac{v}{u^2 + v^2} \)  

※ベクトルの内積を用いた計算も考えられます。\( \overrightarrow{AP} \) と \( \overrightarrow{BR} \) は垂直ですから、\( \overrightarrow{AP} \cdot \overrightarrow{BR} = 0 \)がなりたちます。すなわち、
$$  su + tv -1 = 0 $$
が成り立ちます。これを用いても問題ないでしょう。

問3
同一円周上に2点があることは、どのようにして示せばよいでしょうか。一般に、ある点 \( K(X, Y) \) が図形 \(F(x, y) = 0 \) 上にある、という事は \(F(X, Y) = 0 \) が成り立つことです。このことを踏まえて、問題文を数式に直していくと良いでしょう。

直線ℓを \( ax + by = 1 \) とします。ただし、\( a^2 + b^2 \) は0です。点Pが直線ℓ上だと言われていますから、等式
$$ a \times \frac{u}{u^2 + v^2} + b \times \frac{v}{u^2 + v^2} = 1 $$
が成り立ちます。これを変形すると、
\begin{eqnarray}
au + bv & = & u^2 + v^2 \\
(u – \frac{a}{2})^2 + (v – \frac{b}{2})^2 & = & \frac{a^2 + b^2}{4} 
\end{eqnarray}
となります。この変形は同値ですから、点Pももちろんこの円上に存在する点です。従って、点Pと点Rはともに中心 \( (\displaystyle \frac{a}{2}, \displaystyle \frac{b}{2} ) \) で半径 \( \displaystyle \frac{a^2 + b^2}{4} \) の円上にあります。以上で題意は示されました。

さて、次の例題では微積分の計算が必要になってきます。

例題3

回転体の微積分の問題では「回す前に、回転軸に垂直な面で切れ」というのが鉄則です(※別の誘導が付いている場合は、それに従います)。というのも、ある図形の回転で得られる立体の表面を表す方程式を求めることは難しい場合が多いからです。直線上の点の位置ベクトルを求め、条件に応じて切断し、そこから回転させると考えれば、議論はほとんど平面図形で進みますし、回転体の体積を求める上でも、平面図形をもとにして議論できるので割と簡単です。

という事で、今回の問題では直線ℓ上の点の位置ベクトルを求めることからスタートしましょう。

問1
直線ℓ上の任意の点Kは、実数 \( t \) を用いて、
$$ \overrightarrow{OK} = \overrightarrow{OP} + t \overrightarrow{PQ} = (t, -1+t, 1-2t) $$
と表せる。

\( z=0\) の時、\( 1-2t = 0 \) より \( t=\frac{1}{2} \) であるので、\( K(\frac{1}{2}, -\frac{1}{2}, 0) \) である。この点が原点中心に回転した時の軌跡は、原点中心半径 \( \frac{1}{\sqrt{2}} \) の円である。

求める面積 \( S_1 \) はこの円の内部であるので
$$ S_1 = \frac{\pi}{2} $$

問2
点Kのz座標は \( -1 \leq z_K \leq 1 \) を満たすので、立体Aについて、平面 \( z=k \, ( -1 \leq k \leq 1 ) \) による断面を考えればよい。

\( z = k \) の時、点Kのz座標について考えれば、 \( t = \frac{1-k}{2} \) なので \( K( \frac{1-k}{2} , \frac{-1-k}{2}, k ) \) である。平面 \( z=k \) を取り出す。

点 \( (0, 0, k) \) を中心にして点Kを回転させた図形の内側の面積が、立体Aを平面 \( z=k\) で切断した時の断面積 \( S(k) \) と一致するので、
\begin{eqnarray}
S(k) &=& \{ (\frac{1-k}{2})^2 + (\frac{-1-k}{2})^2 \} \times \pi \\
&=& \frac{(1-k)^2 + (1+k)^2}{4} \times \pi \\
&=& \frac{1+k^2}{2} \pi
\end{eqnarray}
となる。

\( -1 \leq k \leq 1  \) であるから、
\begin{eqnarray}
V &=& \int_{-1}^1 S(k) dk \\
&=& 2\pi \int_0^1 S(k) dk \ \, (S(k)は偶関数) \\
&=& \pi \int_0^1 (1+k^2) dk \\
&=& \pi \left[ k + \frac{k^3}{3} \right]_0^1 \\
&=& \frac{4 \pi }{3} 
\end{eqnarray}

問3
このような問いになっても、考えることは変わりません。「 \( z=x \) !?軸に垂直じゃない平面で切った断面積ってどういう事!?」となるかもしれませんが、基本に忠実に行きましょう。

基本とは「回転軸に垂直な平面で切る」でしたね。従って、平面 \( z=x=k \) で切断する、つまり、立体Aを \(z=k \) で切った時の断面図を考え、その図形を更に \( x = k \) で切断します。そうして得られる図形(どんな図形になるか分かりますか?2つの平面が交わって得られる図形ですから、「直線」ですよ)の情報をもとに、積分していきます。

立体Aを \( z=k\) で切断した断面図は、下図です。

この点Kを点 \( (0, 0, k) \) 中心に回転した軌跡は円であり、その円を平面 \( x=k\) で切断すると、下図のような共線を得ます。

※画像では円の半径が \( \frac{ \sqrt{1 + k^2}}{2} \) となっていますが、正しくは \( \sqrt{\frac{1+k^2}{2}} \) です。

交線の長さは、\( 2 \sqrt{ \left(\frac{1+k^2}{2} – k^2 \right)} = 2 \sqrt{\frac{1-k^2}{2}} \) である。

この図形を \( z=x \) に沿って \( z = -1 \) から \( z=1 \) まで積分すればよい。この時、\( z=x \) に沿った微小変化について考える。

\( z \) 軸方向に \( h \) だけ増加すると、直線(平面)\( z=x\) 上では三平方の定理から \( \sqrt{2} h \) だけ増加している。すなわち、新たに \( w \) 軸というのを直線 \( z = x \) として定め、このw軸に沿って立体Aと平面 \( z = k \) と平面 \( x=k\) の共線を積分するとすれば、\( -1 \leq k \leq 1 \) で \( -\sqrt{2} \leq w \leq \sqrt{2} \) であるので、求める面積は次の積分で計算できる。 

\begin{eqnarray}
S_2 &=& \sqrt{2} \int_{-1}^1 \sqrt{\frac{1-k^2}{2}} dk \\
&=& \int_0^1 \sqrt{1-k^2} \\
&=& \pi
\end{eqnarray} 

以上

最後はややテクニカルな話をしました。積分ではなかったので、新たに軸を定めてあげて、軸に沿った積分を何倍すればよいか、という事を考えました。

正射影の考え方に近い物があります。正射影についてはこちらの記事で少し触れています↓
 ベクトルの外積って?定義から性質・使い方まで解説してみた【数学B】

まとめ

多くの図形問題において、初等幾何の発想とベクトルの計算が重要になります。微積を扱う問題においてもそれは変わりません。結局空間図形問題で大事になるのは「平面を取り出し、どんな図形か考える」という事なのです。

ただ、そのあとの処理は初等幾何的に考えるもの、微積の計算で解くもの、ベクトルを用いて機械的に計算するものなど色々分かれます。

いずれにせよきちんと図形に関する理解を深め、計算力を付けておくことが大事です。二次試験まで残り1ヶ月ほどですが、しっかりと演習をしていきましょう!

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