国語が苦手な受験生必見!現代文の読み方~たった4つのステップで文章が読めてくる~
どうも!地頭コーチのSHUです!
突然ですが、みなさんの中に現代文はセンスの問題だと思っている人はいませんか?
僕も以前はそう思っていました。
しかし!実は、それは間違いなのです!
現代文には「正しい読み方」と「正しいまとめ方」が存在します。
それが、今回紹介する「図式化」という方法です。
この方法を身に着ければ「現代文なんてセンスのない僕(私)には解けないよ~」という悩みは解決します。
この「図式化」という方法は、次の4ステップからなります。
1.文中のキーワードをグループ分けする
2.各グループの内容をイメージ図にする
3.グループ間の関係を図にする
4.2、3で作った図と本文を何度も往復して文章の理解を深める
今回は、2010年度センター試験の過去問を用いて実際にこれらの4ステップを解説したいと思います。
それでは、よろしくお願いします。
そもそもなぜグループ分けをするか
※本章中のPDFファイルでは見やすくするために色でキーワードに印を付けていますが、実際の試験では色ペンは使えません。従って、〇、□、波線など数種類の記号を自分で使い分けるようにしましょう。
そもそも、言葉を分類するメリットは何なのでしょうか?
それは、「似たような言葉でも意味合いの違いをはっきりさせられる」ことにあります。
一つの言葉を違う意味で使われたときに頭がごちゃごちゃになってしまわないように、分類表を作るという事です。
もちろん、一つの言葉でなく、対立関係にある言葉(暑いと寒いのような)に関して分類表を作る役割もグループ分けにはあります。
キーワードをグループ分けする
それでは、グループ分けの解説に入っていきましょう!
まず、キーワードをグループ分けする上で大事なことは「何がキーワードか」を見抜けるようにすることです。
ですので、まずはある言葉がキーワードかどうかを見抜く方法を解説します。
大原則は「繰り返される言葉はキーワード」という法則です。
文章を通して何かを人に伝えたい時、大事なことは何度も繰り返されます。学校で先生が何度も何度も「宿題を忘れないでください」と言うのは、それが大事なことであり、生徒にちゃんと伝えたいからなのです。
ですので、文章を読む時は繰り返される言葉には注意し、印を付けるようにしましょう。
それでは文章の解説に入るので、このPDFファイルをご覧ください。(パスワードはcenter2010)
「繰り返される言葉はキーワード」の法則を意識して読んでいきましょう!
まず、一番最初に語られるのは「ヴェニスの商人」、すなわち「重商資本主義」についてです。従って、この「重商資本主義」に関わるキーワードに赤で印を付けていくのですが、この時のポイントは何でしたっけ???
そう、「繰り返される言葉はキーワード」でしたね。例えば、「利潤」は「差異」から生まれることが何度も言われているので、これらのキーワードには印を付けて線で結んでおくと良いでしょうし、例として「ヴェニスの商人」が何度も挙げられているのでこれにも印を付けておきましょう。
そして、次に「伝統的な経済学」の話に移っていきます。ここでは、「労働する人間」が中心となって利潤を生み出すことが言葉を変えて何度も書かれていることに注意してキーワードを抜き出してみましょう。
「労働をする人間が中心」という事を念頭に読んでみると、「労働者が生産する剰余価値」「労働価値説」「産業資本主義」といったキーワードが見えてきませんか?
しかし、後半になってこの「産業資本主義」グループも「都心部」と「農村部」の「遠隔地貿易」、すなわち「労働生産性」と「実質賃金率」という「価値体系の差異」を利用して利潤を生み出していることが何度か述べられているので、ここも忘れず印を付けておきましょう。
その次には「ポスト産業資本主義」、すなわち現代の話に入っていきます。ここでは「情報が商品化される」「差異が価値を生み出す」という事が繰り返し書かれているので、「繰り返される言葉はキーワード」の法則から考えて、これらに緑で印を付けていきます。
グループの内容をイメージ化する
それでは、先ほど分けた3グループは共通して「利潤の生まれ方」を論じていますが、それぞれがどのような仕組みかを理解するために、イメージ図を使っていきましょう。
これは実際に僕が読みながら作成したイメージ図です。
一目で「利潤」は「異なる2つの物の間にある差異」から生まれている、と分かると思います。
具体的に言えば、Aグループなら「ヨーロッパ」と「東洋」の間での「物の価格」の差異、Bグループなら結局は「労働生産性」と「実質賃金率」の間での「価値体系」の差異、Cグループなら「情報を持つ人」と「情報を持たない人」の間での「所有の差異」となります。
そして、その「差異」から利潤が生まれているので、そこも図中に明記しておくと問題を解く上で分かりやすいです。
この「結局どれも同じ仕組みで利潤を生み出している」が、「それぞれのグループの要素(キーワード)は異なる」という事を上手く図にまとめる方法を次の章で考えていきましょう。
グループ間の関係を図にする
それでは、各グループのイメージができたので、グループ間にどのような関係があるかを確認し、それを図式化していきましょう。
問題文の一番最後の段落に注目すると、「あのヴェニスの商人の資本主義こそ、まさに普遍的な資本主義であったのである」とあります。すなわち、今回の文章ではAグループが普遍性を持った資本主義、つまり最も大きな枠という事になります。
そして、BとCの関係ですが、本文を読む限りは特に共通部分は見当たらないので、それぞれ別の枠と見て良いでしょう。
ですが、これらは最も大きな枠であるAグループ、「ヴェニスの商人の資本主義」の枠に収まっていることを忘れてはいけません!
ここまでに述べたようなグループ間の関係から考えると、このようなベン図が書けます。
これが、A、B、Cの3グループ間にある関係図となります。
また、Bグループのところに書いてあるように各グループの要素(印を付けたキーワード)も一緒に書き込んでおくと、具体的な例も見えてくるので、文章の内容が理解しやすくなります。
文章全体の事を問われるセンター現代文の最後の小問のような設問に答える時、このような全体の論理をまとめた図があると一目で全体の構成が分かるので、正答率が格段に伸びます。(表現技法について問われた時はあまり対応できませんが…笑)
このようにグループ間の関係を図式化することで、筆者が文章を通して伝えたかった論理が図にできるので、できるだけグループ間の関係もまとめた全体の図を作るようにすると文章の理解がより容易になると思います!
自分が書いた図と文章を何度も見返す
実はこのステップが文章を理解する上で最も重要なステップです。
難しい文章でも図にすれば非常に分かりやすくなるのですが、細かいニュアンスまでは図では表現しきれないという事はこれまでの内容でご理解いただけたと思います。
つまり、「ちょっとこの図を見ただけではわからないな」という所を本文に戻って読み直してみたり、図を変えてみる、という事が起こるわけです。
そして、このように文章と図を何度も行ったり来たりして、図をアップデートしていく過程こそ最も文章の理解を深めてくれるのです。
ですので、実際に自分で図を作ってみたら何度も文章と照らし合わせて「おかしな点はないか」「もっと適した図はないか」「そもそものイメージが適切か」といった点を確認していきましょう。
まとめ
今回の記事では、文章を正しく読んでいくための「図式化」についてまとめましたが、いかがでしたか?
最後に、この記事の内容をまとめます。
・文章を正しく読むには「図式化」が効果的
・図式化は「キーワードをグループ分け」「グループのイメージ化」「グループ間の関係を図式化」「図と本文の往復」の4ステップからなる
・「繰り返される言葉はキーワード」に従ってキーワードをグループ分けする
・グループ間の包含関係や対立関係に注意して全体の論理を図式化する
・何度も見返す
この5点が今回の記事のポイントでした。特に、「繰り返される言葉はキーワード」これは絶対に忘れないでください!絶対ですよ!
そしてこの図式化ですが、そう簡単にできるようになることではありません。
最初は本当に、驚くほど何も書けません。ですが、ここを他人任せにしてはいけません!
自力で図式化する作業は、文章を自分の中で再構築する作業ですので、自分でやらないと理解は深まりませんし、記憶にも定着しないのです。
大変なことですが、まずは自力で、果敢に挑戦してください!頑張りましょう!
それでは次回の記事でお会いしましょう。ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
※追記: 本記事に掲載しているPDFファイルが、文章中の印で「赤」「青」「緑」の三色を使っていたために赤緑色弱の方への配慮を欠くものとなってしまいました。以降の記事ではカラーバリアフリー等の点に十分注意し、どんな方にも読みやすい記事が書けるよう一層努力して参ります。この度はご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございません。今後とも本ブログをよろしくお願いします。
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