【東京大学入試2021】理系数学第5問解説

2021年4月12日

どうも!受験コーチSHUです。

今回も、東大入試数学2021の解説を行っていきます。この記事では、理系数学第5問を扱います。理系数学の概観とその他の問題の解答は、以下の記事に掲載していますので、是非ご覧ください。
 【東京大学入試2021】理系数学まとめ

東大2021・理系数学第5問解説

(1)は要するに \( f'(\theta) \) のグラフを考えればOKです。考え方自体は微分法の基本的なものですが、やや計算が大変なので上手くやりたいところです。\( f(\theta) \) の三次導関数まで計算するか、\( g(\theta) = \alpha \) の形に変形して計算すると良いでしょう。以下の解答例には2通り示しておきます。(2)は(1)の過程から容易に導くことができますので、解答を見て十分理解できるかと思います。

解答例
\( f(\theta) = \left( \theta + sin \theta + \alpha \right) ^2 + \left( cos \theta + 3 \right) ^2 \) 

(1) \( f(\theta) \) を \( \theta \) で微分すると、
\begin{eqnarray}
f'(\theta) &=& 2(1 + cos \theta)( \theta + sin \theta + \alpha ) – 2sin\theta ( cos \theta + 3 ) \\
&=& 2 \{ (1 + cos \theta)( \theta + \alpha ) -2 sin \theta \} 
\end{eqnarray}

更にこれを \( \theta \) で微分して、
\begin{eqnarray}
f”(\theta) &=& 2 \{ – sin \theta ( \theta + \alpha) + (1 + cos \theta) – 2 cos \theta \} \\
&=& 2 \{ – ( \theta + \alpha )sin \theta – cos \theta + 1 \} 
\end{eqnarray}

更にこれを \( \theta \) で微分して、
$$ f”'(\theta) = -2 (\theta + \alpha) cos \theta $$

を得る。\( 0 < \theta < \pi \) の時、\( \theta + \alpha > 0 \) であるから、\( f”'(\theta) = 0 \) となるのは \( \theta = \displaystyle \frac{\pi}{2} \) のときのみ。この時、\( f”(\theta) \) について次の増減表を得る。

さて、\( f”(0)= 0 , \, f”(\frac{\pi}{2}) = 2(1 – \frac{\pi}{2} – \alpha) < 0  , \, f(\pi) = 4 \) であるから、増減表より \( \frac{\pi}{2} < u < \pi \) であり、 \( f”(u)=0 \) なる実数 \( u \) が1つ存在する。 この時、\( f'(\theta) \) について次の増減表を得る。

さて、\( f'(0)=4 \alpha , \, f(\pi) = 0 \) で、増減表より \( f'(u) < f'(\pi) \) であるから、\( 0 < v < u \) であって、\( f'(v) = 0 \) となる実数 \( v \) が1つ存在する。

以上で題意は示された。

(1)別解
( \( f'(\theta) \) を得るところまでは同じ。定数 \( \alpha \) を上手く分離する。)

\begin{eqnarray}
f'(\theta) &=& 2 \{ (1 + cos \theta)( \theta + \alpha ) -2 sin \theta \} \\
&=& (1 + cos \theta) \{ \theta + \alpha – \frac{2 sin \theta}{1 + cos \theta} \} \\
&=& (1 + cos \theta) \{ \alpha – \left( \displaystyle \frac{2 sin \theta}{1 + cos \theta} -\theta \right) \}
\end{eqnarray}

であるから、\( g(\theta) = \displaystyle \frac{2 sin \theta}{1 + cos \theta} -\theta \) とおくと、\( 1 + cos \theta > 0 \hspace{3pt} (0 < \theta < \pi) \) が成り立つので、\( f'(\theta) = 0 \) は \( g(\theta) = \alpha \) と同値である。\( g(\theta) \) を \( \theta \) で微分すると
\begin{eqnarray}
g'(\theta) &=& \frac{2cos\theta (1 + cos \theta) + 2 sin^2 \theta}{\left( 1 + cos \theta \right) ^2} \\
&=& \frac{2 (1 + cos \theta)}{\left( 1 + cos \theta \right) ^2} > 0 \hspace{5pt} (0 < \theta < \pi)
\end{eqnarray}

となる。つまり、題意の \( \theta \) の範囲で \( g(\theta) \) は単調増加である。ここで、\( g(0)=0 , \hspace{3pt}  \) であり、
\begin{eqnarray}
\lim_{\theta \to \pi – 0} g(\theta) &=& \lim_{\theta \to \pi – 0} \left( \frac{2 sin \theta}{1 + cos \theta} – \theta \right) \\
&=& \lim_{\theta \to \pi -0} \frac{2sin \theta (1 – cos \theta)}{1 – cos^2 \theta} – \pi \\
&=& \lim_{\theta \to \pi – 0} \frac{2(1 – cos \theta)}{sin \theta} – \pi = \infty 
\end{eqnarray}
であるから、  \( g(\theta) = \alpha >0 \) なる実数 \( w \) が \( 0 < w < \pi \) の範囲にただ1つ存在する。

(別解おわり)

(2) (1)の結果から、\( f'(v)=0 \) が成り立ち、この前後で \( f'(\theta) \) の符号は正から負に変化するので次の増減表を得る。

※3行目:正しくは\( f(v) \) です。

すなわち、最大値は \( f(v) \) であるから、\( v < \frac{\pi}{2} \) となることが題意と同値。この時、増減表から\( f'(v) < f'(\frac{\pi}{2}) \) が成り立つから、求める条件は
$$ 0 < \frac{\pi}{2} + \alpha – 2 $$ である。