【東京大学入試2021】理系数学第3問解説【現役東大生が解説】

2021年4月23日

どうも!受験コーチSHUです。

今回のシリーズでは、先日行われた2021年東大文系・理系数学の解説を行っていこうと思います。

1記事で1問ずつ解説を行う、全8本のシリーズを予定しています。本記事はその1回目として、理系数学第3問の解説記事です。

本シリーズの趣旨としては、凡人数弱東大生である私が150分(文系:100分)で問題に取り組み、

  • どの順番で解くか?
  • 受験生が書ける答案か?

といった点を考慮した解説を行う事です。順番や全体的な話はこちらの記事を参考にしてください(下リンク)。
 ※2021東大数学の概観→ 【東京大学入試2021】理系数学まとめ

それでは、理系第3問の解説に入ります。

東大2021・理系数学第3問解説

基本的な微積分の問題です。特に(2)での計算が煩雑ですが、東大受験生ならこの程度はミスなく処理したいところ。特に変わった発想もありませんから、解いていきましょう。

解答例・解説
関数 \( \displaystyle f(x) = \frac{x}{x^2 + 3} \) を \(x\) で微分すると、\( \displaystyle f'(x) = \frac{-x^2 + 3}{ \, (x^2 + 3)^2 \, } \) である。

これを用いて、直線 \( l \) を表す方程式は \( \displaystyle y = \frac{1}{8} x + \frac{1}{8} \) 
つまり、\( \displaystyle g(x) = \frac{1}{8} x + \frac{1}{8} \) である。

(1) Cとℓの共有点の \( x \) 座標は、\( x \) の方程式 \( f(x) = g(x) \) の解であるから、
\begin{eqnarray}
f(x) &=& g(x) \\
\frac{x}{x^2 + 3} &=& \frac{1}{8} (x + 1) \\
x^3 + x^2 -5x + 3 &=& 0 \\
(x-1)^2 (x+3) &=& 0 \\
 x=1, x&=&-3 
\end{eqnarray}
従って、Cとℓは点Aでない共有点を1つだけ持ち、その \(x\) 座標は \( x=-3 \) である。

(2) 題意から \( a=-3 \) 。定積分 \( \displaystyle \int_{-3}^{1} \{ f(x) – g(x) \} ^2 dx \) を \( I \) として、\( I \) は次のように計算できる。$$ I = \int_{-3}^{1} \{ f(x)^2 +  g(x)^2 – 2f(x)g(x) \} dx $$

ここで、\( \displaystyle J = \int_{-3}^{1} \{ f(x) \} ^2 dx , \, K = \int_{-3}^{1} \{ g(x) \} ^2 dx , \, L = \int_{-3}^{1} f(x)g(x) dx \) とすれば、\( I = J + K -2L \) となる。\( J, K, L \) をそれぞれ計算する。
$$ J = \int_{-3}^{1} \left( \frac{x}{x^2 + 3} \right)^2 dx  $$
\( J\) について、\( x = \sqrt{3} tan \theta \) と置換すると、\( \theta : \displaystyle \frac{- \pi}{3} \, \rightarrow \, \displaystyle \frac{\pi}{6} \) であり、\( dx = \displaystyle \frac{\sqrt{3}}{cos^2 \theta} d \theta \) となるので、
\begin{eqnarray}
J &=& \int_{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} \left( \frac{\sqrt{3} tan \theta}{3 (tan^2 \theta + 1)} \right)^2 \frac{\sqrt{3}}{cos^2 \theta} d \theta \\
&=& \int_{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} \left( \frac{tan^2 \theta \cdot \cos^4 \theta}{3} \cdot \frac{\sqrt{3}}{cos^2 \theta} \right) d \theta \\
&=& \frac{1}{\sqrt{3}} \int_{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} sin^2 \theta d \theta \\
&=& \frac{1}{\sqrt{3}} \int_{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} \left( \frac{1 – cos2 \theta}{2} \right) d \theta \\
&=& \frac{1}{\sqrt{3}} \left[ \frac{\theta}{2} – \frac{sin2 \theta}{4} \right] _{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} \\
&=& \frac{1}{\sqrt{3}} \left( \frac{\pi}{4} – \frac{\sqrt{3}}{4} \right) \\
&=& \frac{1}{12} ( \sqrt{3} \pi – 3  ) 
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}
K &=& \int_{-3}^{1} \{ g(x) \} ^2 dx \\
&=& \frac{1}{64} \int_{-3}^{1} (x+1)^2 dx \\
&=& \frac{1}{64} \cdot \frac{1}{3} \left[ (x+1)^3 \right] _{-3}^{1} \\
&=& \frac{1}{64} \cdot \frac{1}{3} \cdot 16 \\
&=& \frac{1}{12}
\end{eqnarray}

\begin{eqnarray}
L &=& \int_{-3}^{1} f(x)g(x) dx \\
&=& \frac{1}{8} \int_{-3}^{1} \left( \frac{x}{x^2 + 3} \right) \cdot (x+1) \\
&=& \frac{1}{8} \int_{-3}^{1} \left( 1 + \frac{x}{x^2 + 3} – \frac{3}{x^2 + 3} \right) dx \\
&=& \frac{1}{8} \left[ x + \frac{1}{2} log(x^2 + 3) \right] _{-3}^{1} – \frac{1}{8} \int_{-3}^{1} \frac{3}{x^2 + 3}dx \\
&=& \frac{1}{8} \left( 4 – \frac{1}{2} \cdot log3 \right) -\frac{1}{8} \int_{-3}^{1} \frac{3}{x^2 + 3}dx \\
\end{eqnarray}

ここで、\( J \) と同様の置換を \( \displaystyle \int_{-3}^{1} \frac{3}{x^2 + 3}dx \) に施せば、

\begin{eqnarray}
\int_{-3}^{1} \frac{3}{x^2 + 3}dx &=& \int_{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} \left( \frac{3}{3 (tan^2 \theta + 1)} \right) \cdot \frac{\sqrt{3}}{cos^2 \theta} d \theta \\
&=& \int_{\frac{- \pi}{3}}^{\frac{\pi}{6}} \sqrt{3} d \theta \\
&=& \frac{\pi}{2} \sqrt{3}
\end{eqnarray} 

となる。以上から、

\begin{equation}
L = \frac{1}{8} \left( 4 – \frac{1}{2} \cdot log3 -\frac{\pi}{2} \sqrt{3} \right)
\end{equation}

従って、求める定積分 \( I \) について
\begin{eqnarray}
I &=& J+ K -2L \\
&=& \frac{1}{12} ( \sqrt{3} \pi – 3) + \frac{1}{12} – \frac{1}{4} \left( 4 – \frac{1}{2} \cdot log3 -\frac{\pi}{2} \sqrt{3} \right) \\
&=& \frac{5\sqrt{3} \pi + 3 log3 – 28}{24} 
\end{eqnarray}
以上。

コメント
理系ならば必須の計算事項がたくさん出てきましたね。\( tan \theta \) の置換(これは2019第1問でも出てきた置換です!超重要!)や分数の次数下げ、上手く積分を分けて行う等、工程は多いですが、1つ1つは基本的な計算です。なるべくスピーディーに処理することは大事ですが、きちんと丁寧計算できることが最重要です。来年度以降東大を受ける方は、まず確実な計算力をつけ、この程度の計算はそつなくこなせるようになってください。

2019第1問はいい練習になるでしょう。是非取り組んでみてください。